なおのブログ
163cm/B98(F)/W69/H93
おやすみなさい
涙が頬を滑り落ちた。
理由を言葉にすることはできない。
それは哀しみであり、
同時に救いのようでもあった。
心の奥に溜まっていた澱が、
ひと粒の雫になって
静かに解き放たれていく。
光の中で横たわると、
身体は重力に委ねられ、
意識は宙に浮かぶ。
差し込む光は、
やわらかな刃のように
私の内側を裂き、
まだ癒えていない傷跡を照らす。
指先は空を探し、
触れられない何かを求めて震える。
その先にあるのは温もりだろうか、
それとも、ただの幻影だろうか。
けれども、不思議なことに——
涙が流れるたびに、私は少しだけ自由になる。
痛みを抱えたままでも、
光に手を伸ばし続けることができる。